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  無限ループ  

 
客「ちょっと!アンタのところに修理に出した製品、修理不能って戻ってきたんだけど!」
俺「左様でございますか。」
客「でさ、客の故意の破損だから交換も出来ないって言うんだよね。
  で、修理担当に電話して聞いてみたら「“ビール”みたいな水分が製品に付着してる。」   なんて言ってやがるんだ!」

客「俺はビールなんて溢しちゃいねぇ!!!」

そりゃ確かに例えが悪い。
俺でも覚えも無いのに
「お客様がビールを溢されたのが原因ですので、ウチでは責任持てません」
なんて言われたら怒る。

なんで何かの水分が原因とボカさないのかな?
たしかにアルコールを含んだ液体だったんだろうけど、
それならせめて

「高級ワインか何かを溢されませんでしたか?」

と聞けば、少しは自尊心も満たされように。

が、なんにせよ水分による精密機械部分の破損なので修理不可能なのは間違いない。
そして、水分の付着や落下などによる破損は一年未満でも保証しないのも決まりだ。

でも、お客様はちっとも納得してくれない。

(※1)
客「俺は水分など溢した覚えは無い!それならば交換するのが当然だ!
  それが出来ないなら、具体的にどんな水分で何日前に掛かったものか証明しろ。
  それで身に覚えがあれば引いてやる!」
俺「それ以上お調べする事は出来かねますし、調べても分かりません。」
客「じゃあダメだ。」
俺「弊社としましても、水分の付着した状態で送られてきたのですから、
  それを結果として判断することしかできません。
  お客様がどのような扱いをしていたかは存じませんが、ご了承ください。」
客「なんだ、それじゃあ俺がやったという証拠も無しに交換不可能と言ってるのか!」
俺「そういう規定ですので。」
客「つまり、オタクはどうせ客がやったに決まってるんだろって疑ってるんでしょ?」
俺「いえ・・そういう訳ではございません。」
(※2)
客「それなら、証拠が無い以上は俺だってもともと欠陥品だったかもって言えるんだぞ!」
俺「ですが、購入当時は使えた訳ですよね?」
客「使えたけど、そのときはまだ完全に壊れてなかっただけかもしれないじゃないか!」
俺「出荷時に製品チェックをしておりますので、製品の内部に水が浸透してる事はありません。」
客「本当に100%やってるって言えるのか?」
俺「はい、言えます。」
客「でも、アンタが直接確認してる訳じゃないだろ?それじゃあダメだ。」
俺「・・・・・・・・。」
客「それに、そのビールだってそっちが製品に溢したかもしれないじゃないか!」
俺「そんな事はございません。」
客「でも証拠は無い訳だろ!やってない証拠は!」
俺「・・・・・・・・・・・。」
客「それなら俺が溢したって証拠は無いじゃないか。
  規定かなんだか知らないけど、やった覚えも無いのに俺は納得しないぞ!」
俺「ですが、弊社としても製品の欠陥以外での製品交換はできませんので・・」

※に戻る×2
その後、※1に一回戻る。

客「とにかく俺は納得しないからな!もう出かけなきゃならんから、また明日電話してくれ。」
俺「・・かしこまりました。」
客「俺はイイ返事が聞けるまで引き下がらないからなっ!」

ガチャ。

これと全く同じ対応を4日連続でやった事があるけど、さすがに疲れました。
最後は結局根気勝ちといったところでしょうか。
たしかに、身に覚えも無いのに製品の壊れたお客様の気持ちも分かりますが、
なるべくなら取りたくない電話ではあります。









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