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  高校生活編 〜男子校哀歌〜  

 
俺の母校は男子校だった。
そのうえ、全校生徒3000のマンモス校。
学生服3000人が体育館に集まる夏の全校集会は暑いったら ありゃしない。
まさしく灰色の高校生活だったので、もし過去に戻れるとしてもこの時代だけは御免だ。

加えて俺は寮生活。
漢だらけの純粋培養です。
部屋は二人一部屋。
朝6時のチャイムで全員起床。
グランドに出て体操の後、朝食。
この少年院のような朝から、俺の一日は始まる。


そして、男子校というのは先生も怖いのが多い。
パンチパーマにグラサンで恰幅の良い音楽の先生は、 声が小さいとホウキを口の中に突っ込んでくる。
集会で校歌を歌う声が小さいとブチ切れで怒鳴るし、 それで大きい声で歌うと今度は

「お前ら、さっきは手を抜いてやがったな!!」

と、またブチ切れる。
元々この御仁はオペラ以外は音楽と認めないという変人であり、 飼い犬に「愛国丸」という名前を付けている少々アレな御方なので特別かもしれない。

教育が逝き過ぎたせいか、 ある日生徒たちに車を石で大破されて大問題になった事がある。
みんな拍手喝采。
その年は、我が校の流行語大賞は「落石注意」。

ここまで読んだだけで、同じ年代で同校の出身者なら 「これウチの学校だろ」って100%分かるだろう。
そう思った貴方、そう!私も貴方と同じ高校出身です。



ここでちょっと懺悔。
まだ、その先生をよく知らない頃、相部屋のT君を使い、 先生がどれくらい怖いのか一つ実験をした事がある。
彼が朝、洗面所に行ってる隙にカバンから音楽の教科書を抜き取り、 本棚に戻しておいたのだ。
どんな修羅場が待ち受けてるかも知らず登校するT君。


夕方、下校して顔を合わせたらボコボコになってますた。


教科書を忘れて怒られたので、
「いえ、ちゃんとカバンに入れたハズなんです。」
と言ったら
「貴様、忘れた上に言い訳しやがるのかぁ! 入れたものを忘れる訳があるか!!」
と怒鳴られながらボッコンスッカンやられたらしい。

今更ながら謝ります。ごめんなさい。


他には在校時、70歳にもなろうかという古典の先生(非常勤)は、
テストで間違えた数だけ木刀で攻撃してくるこれまた怖い御仁だ。
昔、ブチ切れて生徒を2階から放り投げたという話を聞くが、多分本当の話だろう。

しかし、宿題一つロクにしてこない生徒が多い我が校では、
教師陣も強力なラインナップを揃えないとやってられなかったのだろう。
「宿題してない奴廊下に立ってろ」と言われて クラス50人中45人以上が廊下に出るような学校だ。
先生も頭にきて誰も中に入れずに5人前後の生き残り相手に授業している。
廊下では40人くらいが正座。
これもそんなに珍しい光景ではない。


トイレでタバコ吸う生徒を見つけて、教師が上からバケツで水をぶっ掛ける。
生徒はダッシュで逃走。教師も後を追いかける。
校外にまで逃げるものだから、教師も校外までも追いかける。
もう現行犯なんだから放っておけばイイのに。
いっそ、二人で夕日追いかけて青春タップリのスキンシップでもして欲しかった。


運動部も活発で、よく部活をサボった一年が上級生に押さえ込まれて バリカンで丸刈りにされている場面も目撃したなぁ。

そんな中で私は3年間過ごした。
個性的な御方が多い校内では、非常に大人しい部類の生徒だったと思う。


更に加えておくと僕は寮生活をしていた訳だが、寮監長は元海軍の幹部。
団体生活を長いことしていると足音だけで誰か分かるようになるが、 この寮監長だけは最後まで分からなかった。
だって気配も足音もしないんだもん。
これが戦場だったら気付かないウチに背後に立たれて 首筋をナイフで切られてお終いだ。
寮監の先生二人は体育教師で野球部と柔道部の顧問。
バイトでドコぞの体育大学でレスリング部の主将をしている方も居た。

何故、そこまで体育会系を集める?

本当にただの学生寮か疑ってしまう面々であるが、 まぁ今にして思えばよき思い出か?
戻りたくはねぇケド。


ホント、濃い高校生活だったけどネタの宝庫ではある。
事実、ウチの高校を舞台にしている漫画も多い。


ただ、この学校が現在も当事のスタイルを貫いているかどうかは定かでない。
最近はマスコミも親もウルサイだろうから、生徒に木刀喰らわせたなんてそれだけで 大問題になりかねないし、そもそも先生が木刀持って校内を歩いてること自体問題の ような気もする。

しかしながら本音を言わせて貰えば変わって欲しくはない。
あの風潮の中で僕は大いに学ぶものもあった訳で、先生の身体を張った教育には今で は心から感謝をしている・・・・・と言うのは全くの建前で、こんな面白れえ風潮無 くすには勿体無いし、何より卒業した今となっては他人事である。
そりゃ、酷ければ酷いほど聞くほうは楽しいに決まっている。(鬼)

以上、私の高校時代の思い出でした。


因みに、ウチはれっきとした進学校だったりする。







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