TOP 軌跡のトップに戻る

  強欲な大家のババア  

  人が生きていく上で、お金は必要不可欠なものだ。ドラマの世界みたく愛だけでは生きてはゆけまい。だから、ある程度お金に執着するのは至極当然の事だとは思う。 だが、この度が過ぎた人間は人々から強欲だの守銭奴だのというレッテルを貼られてしまう。ケチと言われる程度ならまだ可愛いものだが、強欲ともなれば周りの人にとっても迷惑なのだ。 本人はお金しか関心がない、つまりお金こそ我が全てなので周りなんて見る余裕などないのだろう。 だから、周りがいくら困ろうと気にせず突き進むというまさに公害以外の何者でもない。

俺は大学に入学した時、不覚にもそんな強欲なババアに捕まってしまった。そいつはアパートの大家で、大学周辺では沢山土地を持っている。近隣の不動産か大学の学生課にでも問い合わせれば、もれなく悪口もセットで教えてくれるだろう。 俺はたまたまそいつのアパートを見て紹介してもらおうと連絡をして待ち合わせたのだが、そのババアは約束の時間を大幅に遅れ、しかもタクシーに乗って現れた。まさかとはおもったが、タクシー代は俺が払うことになった。

出会いからして、そんなインパクトのあるやつだったので俺は入居を考え直すことにした。




そしたら、毎晩ババアからのラブコールがあるじゃねーか!



こんなに女に口説かれたのは生まれて初めてだ。しかし、全然うれしくないのは何故だろう。 結局、女性の猛烈なアタックにまけたシャイな俺は入居することにした。そしたら、ババアがテレビを買わないかと言う。物凄く映りがいいし、8千円でいいと言うのだ。 エピソードの流れから当然これが失敗したのは容易に想像できるだろうが、みなさんも簡単に人を信用してはいけません。 さて、実際どんなテレビかというと、ホテルの使い古しのしかも木造のテレビであった。たしか、東芝の製品だったが、持って行ったら貴重な資料として引き取ってくれたかもしれない。有料放送のボタンも付いてるだけ空しい。



入居後もババアの横暴は続く。 人の部屋に勝手に入って電話使うし、電話でお使いは頼まれるし・・。 “OX化粧品まで・・・してきて頂戴。”ってなにエラソーにほざいてる!大体貴様なんざ化粧するだけ無駄無駄無駄無駄無駄無駄!ハリウッドにでも行って特殊メイクでもしてもらえ! 前に1度、同じ月に共役費が2回も取られるということがあった。ババアに聞きにいったら、




“あの銀行員は新入りだからなにか間違えたんでしょ!” などとぬかしていた。



更に、そのことでウチの親に電話して “近頃の学生は何?まるで暴力団ね!” なんてことを言っていたらしい。じゃあ、てめーは悪徳金融じゃないか!




それにしても、こういう輩に限って「お年よりは大切にするもんなんだよっ!」と連呼するのは如何なものか?


他に細かいことを挙げればキリが無いのだが、ある日ついに止めを刺されてしまった。 下宿を建て替えるから暫く出ていってくれと言う。しかも、改装後の家賃は今の倍くらい。 その地点で俺は引っ越さざるを得なかったのだが、部の試合の為、しばらく下宿をはなれた。 そして久々に帰ってみたら







部屋が無いじゃねーか!!





すでに工事は進んでたのだ! 俺は一瞬なにかのバライティー番組か、電波少年の新企画にでも巻き込まれたのかと思った。俺の家具は工事がまだ終わっていない2階の部屋に移されてた。 しかも、運ぶのが邪魔だったらしく食器や冷蔵庫の中なんかは捨てられてた。清流の如き穏やかな心を持つ 俺も、これはかなり怒った。 移動された部屋もなかなか素晴らしく、屋根も工事中だった為、星空がとても奇麗だった。 前から1度星の見える部屋に住んでみたいとは思っていたが、こんな形でかなうとは思っていなかった!(泣) 俺はその日、無造作に放置された家具の間でくの字になって星を見ながら寝た。 その後もババアはウチのアパートに住めだの敷金は返さないだのと、イロイロと大変だった。


・・だが、そんな日はもう昔の事。 しかし、ババアはまだ生きている。毎年、ババアの生け贄となった新入生の話は今でも聞く。しかし、ババアが生きている限りはどうしようもないのだ。犠牲者のみんなにも人生勉強の一環として精進してもらうしかない。





アクセス解析 SEO/SEO対策